白豕と淡雪

革靴、装い、たまに二次元。暇に飽かせて筆の赴くまま……

米伊代理戦争~Buttero/Frye~


 今日お話しする靴は、どちらも私の靴ではなく、加えてメンズの靴でもないのです。

 

 一応私が見繕ったとはいえ、妹の靴なので、レディースのブーツの話になります。多分読んでくださる方は男性が多いでしょうからまずはそう断ったうえで、しかしどちらのメーカーも男性用を作っていますから参考になれば、と思います。

ちなみに2足とも購入はYOOXにおいてです。

 

 

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一足目はフライ。アメリカのブーツメーカーですが、これはメキシコ製でした。

 

注意点として、YOOXではワイドフィットとして扱われていますがとんでもない!可也幅が細いので、妹の場合ワンサイズ上げてようやく足が入る、といった具合。

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 本来彼女が欲しかったのはジャストサイズで注文したこちらのブーツ。しかし全く足が入らず、返品することに。

 

  余談ですがYOOXは海外の通販ですが返品が簡単で、付属のシールを持って近くの配送センターに持っていくだけ。大袈裟でなく10秒で終わりました。返金額から800円引かれることで送料になっているようですね。

 

 見比べると明らかに黒いほうが上質(素材だけでなく作り、仕上げも)でしたが、履けない靴では仕方ない。グレージュの靴はレザーソールで持て余すでしょうから半張りをしました。

 

して、このブーツ。アメリカの靴だから、と片付けると怒られそうですが良くも悪くも大雑把。

ソールは、イタリアの靴に慣れていると少なくとも滑らかで、もしくはロゴやデザインが施されて、奇麗に色を塗ってあると思うでしょう。いえ、デザインなどないばかりかデコボコしています。

更にトップリフトのゴムははみ出し、コバは鋸で木材を切った断面のようにざらりとしている。

とまあ、細かく書いていけば色々ありますが、このブーツの雰囲気としてそれもありかな、と思わせるものです。クリームを一瞬置いただけでシミになってしまう、このナチュラルな革にはこれくらい気取らない仕上げでも釣り合いが取れているかもしれません。

 

 製法は意外にもマッケイ。黒のエンジニアはマッケイ+ステッチダウンのように見えました。元値は4万円近いものを、1万円台前半で購入。流石に元値では厳しいですが、後述するButteroよりもこちらを履きたいという人がいてもおかしくはない。雰囲気が気に入ったのであればありだと思います。

 

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丈が長いので写真に撮りにくく、また写りも今一つですが、革の雰囲気が違うのは分かっていただけるかな、と思います。

 

 正直なところ、ブッテロがここまで良い革を使っているとは思いませんでした。先程のフライも履きこんでいきたい革でしたが、こちらは別のベクトルで経年変化が楽しみです。美しく色むらが出来ていくんじゃないかな、と思います。ドレスシューズに使っていても可笑しくないほどに滑らかな革です。

 

ブッテロも価格はセールで13000円程だったはず。流石にメンズはここまで安くなっていませんが、レディースは1万円台でいろいろ選べるな、という印象でした。

 

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ラバーソールですが、釘がびっしり。意味合いは置いておいて、こういう意匠は好みです。製法は多分ブラックラピドですね。ソールも分厚いので長く履けそうです。

サイズ感としては、甲が可也低いとのこと。それは、履けない私でもあるものを通して強く感じました。無印良品の、シューキーパーです。

 

 私も男性用を使っていてお気に入りなのですが、レディースには困りました。23㎝~のはずが23㎝のブッテロには全身の力を使ってねじ込まねば入らず、検証のため23㎝のパンプスにも試しましたが入りませんでした。

男性用は25㎝~とされていて、私の25㎝にゆったり入るのですが、どういうことでしょう。

おそらくは甲が高すぎます。あまりにも低いのは問題ですが、このシューキーパーは異様に甲高。男性用よりも高さがあります。

 やすりでもう、ビスポークのシューツリーのように独創的なシルエットに仕上げることとなりました。付属の紙やすりというレベルではなかったので、金属のやすりを買うことになりましたが…

 

 

ということで、ちょうど新品の状態で2足を比較できたため記事にしてみました。私がもしどちらか選べ、と言われたらブッテロかな、とは思いますがフライでもエンジニアの方はとてもカッコよかったし、迷うところですね。

 

 妹はしっかりした革靴がほぼ初めてなので、これを機に色々手入れなども覚えてくれるといいな!と思いつつ、ブラシ、乾拭き、シューツリー、と基本中の基本だけ口を酸っぱくして説いてみました。

 

 私と違ってかなりの頻度(後生だから最低でも3足ローテを組んで、と頼みましたが)で履くでしょうし、次に会うときは可也使い込まれた感じになっていると思います。もしかするとその変化も記事にできるかな?自分としても楽しみです。

はじめての靴修理

  6月の頭、ブログでお話しした古着屋で購入のマグナーニですが、実際買ったのは5月の初め。若干修理をしなくては履けない状態でしたが、実に4か月近くたった9月、ようやく修理に持っていくことができました(記事になるのに更に2ヵ月!)。

liaodongspig.hatenablog.com

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これが修理後。実は修理の前に聞くも涙、語るも涙の奮闘があったのですが…

前の持ち主がどういうメンテナンスをしていたのか、買った直後にもクリーナーで拭いてごっそり靴墨を落としたのに、今回改めてステインリムーバーでこするとまだ落ちる。もう自棄になって2時間以上落とし続けましたが、まだ拭くと真っ黒です。

 

クラックも少なからず(買って吃驚)ありましたし、ワックスを全体に塗ったことがあるのか、塗るだけでピカピカ的薬剤を塗りたくっていたとかでしょうか。

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右足のここだけ結構なひびが。しっかり保湿して、うまく付き合っていくしかありませんね。

 

して、修理したところは2か所です。

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まずはトップリフト。ビフォーは撮り損ねましたが、踵のゴムが削れてヒール本体に達する寸前でした。

 

ミスターミニットやRESH、ほかにもう少し小さなチェーン店など色々な店が近くにあ って迷いましたが、あえて個人のお店に持ち込み。

 

3種類見せてくれて、最安値はビブラムで2200円、次に革とゴムのコンビ(写真の物。元々もこのタイプ)が2700円で一番お高いのがコンチネンタルで3000円。松竹梅と出されて梅を選べなかったのはちんけなプライドか、革への憧憬か。

でも、じゃあこれにします、と竹を指さした瞬間、猛烈にビブラムでよかったかもという後悔に襲われましたが…

 

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全体図はこうなります。流石に革の部分の色は変えられませんよね…釘は丁寧に、数も多く打ってあって嬉しいところ。ちょっと確証はないのですが、コバも磨いてくださったのかな?なんて思います。

 

そして2か所目はスベリ口。この名称自体初耳で、私は履き口と呼んでいました。

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前の持ち主の方が靴べらを使っていなかったためと思われますが、そのスベリ口が破けてしまっていたのです。そのままでも履けるのですが、若干気になったので修理をお願いしました。

 

革が1枚上から被せられているのがお分かりになると思います。

この修理は3000円。意外と高いなあ、と思いましたがレジスターは値段を決然吐き出しているので、こちらも出すしかないのです。最初に値段を教えてくれると心の準備ができるのですが…

 

そしてこのお直しは、革1枚とはいえ結構サイズ感に響きます。私は少し大きめだったなあ、と思っていたところでしたので嬉しい方向に進みましたが、きつめで履いている方だとクリティカルかもしれません。案外莫迦にならないほどの違いです。

 

5000円弱で買い、修理に5000円強払って結局は1万円の靴になってしまいました。物を考えると高いとは思いませんが、あとはクラックがいつまで持つかですね…他の靴以上に念入りにケアしながら、長く履けたらと思います。

服のお直し。そしてスーツは上だけで着られるか?

 ジャケット2着の袖詰めをお願いしてきました。

以前、同じような仕様のブレザーを一着ずつ個人の店と、チェーンの店に預けた結果、1000円以上の開きがあったので今回はその安く仕上がった個人のお店に依頼。

 

 

一着目、紺ジャケ。LiniL hommeというメーカーは、おそらくサカゼンのオリジナル。

古着屋で色合いに惹かれて買ったものです。

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生地のアップ。夏物なので、ざらっとして、表情ある織。

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ESSENZANOは日本の生地で、ときどき見かけます。これはウール80シルク10モヘア10%。このくらいでもそれっぽい艶はあるものです。

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 2着目。これは3年前古着屋で買って以来箪笥の肥やしとなっていたオリヒカです。

この仕上がりは…残念だったかな。確かに袖は普通の長さで、と言いましたけど…手の甲に届かんばかりですよ!

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生地は、焦げ茶にブルーグレーのストライプ。変わった色。

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Lessonaはイタリアの生地メーカー。有名ブランドにも使われたりはしているのですが知名度はいま一つでしょうか?300年の歴史があるとか何とか。まあ御託はともかく素敵な色艶です。

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 さて、このジャケットで頭を悩ませるのはこれがスーツの上着だ、ということです。

古着屋でそういうのを狙って買う人は少ないでしょうが、ズボンだけすり切れて残っているという人は多いはず。

そういう事態に備えて無地やチェックのスーツを選ぶのが安全、とは言いつつもストライプの幅の効かせようったらありません。

 

 確かにストライプのジャケット、それもこういった複雑なストライプは単体で使いにくいです。

しかし使えないわけではない、というかそう思わないと勿体ないじゃないですか!

 

 ならばどう着るのか。

 とりあえず、サイズをジャストサイズにする。これは絶対です。懐が温かければ着丈も少々詰めてはどうでしょう。

 

 それが済んだらスーツの上だけ単体で着ている洒落者や、有名人を見つけます。

私はこの前、TOKIOだか何だかのメンバーの方がこういう茶系で、スーツ的なストライプの入った上着を着ているのを発見しました。

このステップは、別に今からしようとしていることは可笑しくない、寧ろ洒落ているのだ、と自信を付けるために必要なのです。自己暗示なのです。

 

 そうしたら、今から着ようとしているのは歴然たるカジュアルジャケットだと思い込みましょう。変にダークなスラックスを合わせては危険です。ビジネスの香りは徹頭徹尾消し去ること。

 

合わせるべきはテーパードのデニム、極端に明るいグレーやネイビーのスラックス、万能選手の白パンなど。

私の場合は、ストライプの青を拾うとまとまりが出そうです。

 

 何にでも合う服は便利ですが面白みはない。たまには頭の体操も兼ねて、難しいアイテムにも挑戦してみたいですよね。私も今から着るのが楽しみです。

井蛙はオバマの夢を見る~カナーリのコットンスーツ~

 これだけイタリアのファッションについて虚実入り混じる訓話を垂れていた私としたことが…迂闊でした。

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例のYOOXを覗いていて、私のハートを射止めたこのスーツ。このブログでは秘めていたのですが、私はベージュのスーツに大いなる憧れを抱いていたものですから、この夢で見たような理想のスーツをみすみす逃すことは出来かねました。

 

 流行にとらわれないシルエット、美しい生地と理想に寸分違わぬ色合い、そして懐事情に見合ったお値段。そうとなればブランド名なんてのは鳥渡気の利いたおまけに過ぎないのですから、このCanaliという知らないメーカーについては全く調べもせずの決断でした。

 

まさかオバマ愛用のブランドだったとは…ビル・クリントンやらトム・クルーズやらの名前も出てきますし、何より日本にも店を出しているそうじゃないですか!なぜ今まで知らなかったのでしょう。

日本では20万円くらいと言われていますが、やはりイタリアの服なのでYOOXだと定価でもそれより可也控えめなお値段。そして私はほとんど8割引きで買えたので、2万円程です。

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袖は開き見せ。最近は本切羽の既製品がやたら目につきますし、実際身に合う方にとっては嬉しいディテールでしょうが個人的には勘弁して頂きたい。私は背が低いのに、痩せてはいないという面倒な事極まりない体格なので袖は結構詰めるのです。このジャケットだったら4,5センチでしょうね…

 

それと今回は着丈も詰めてみようと思っています。サイズ50を選んで、ズボンはぴったりなのですが、上着は結構緩い&長い。理想は下50の上48ですが、これがスーツの難しさ。

日本のLサイズに輪をかけて長いので、流石にこの着丈ではお下がりのようなのです。残念ながらこのブランドのスーツは合わない体なのですね…

 

 しかし身に合う方にとっては、そしてトレンドから離れて良いものを長く着たい、という方にとってこのスーツはおすすめです。

 

 肩パッドは一見して感じるよりも可也厚めに入っていますし、スラックスの裾幅はお直し前で20センチを優に超えていますから、裾上げしたらもっとでしょう。しかもゴージは低めで、今時流行らない3つボタン。

文字にすれば一笑に付したくなるような時代遅れのスーツですが、最初に載せたモデルさんの写真でそこまで古めかしく感じるでしょうか。

 

ディテールだけではわからない、なんとも超然としたスーツです。勿論それに一役買っているのが生地ですね。写真では伝わらなくって申し訳ないですが、実際見て、手にすると今まで身に纏っていたベージュのコットン達が急に情けなく思えるほど。

光沢は控えめながらも豊かで、袖を通すときはまるでネクタイ、それも飛び切り繊細なシルクのそれを触るときと同じように緊張します。

 

綿だからしっかり着込むぞ、という思いは早々に断念。加えて、上着単体でもカジュアルに使えそうだ、と思って買ったのですが全くトラディショナルなダークスーツを生地だけベージュのコットンにしたようなスーツですので、それもなかなか難しそうです。

 

 私には夢がある、とこれはオバマではなくてキング牧師ですがまあいいでしょう。

それは、社会人になったら、こういう鮮やかな(昨今店でよく見るくすんだのではなくて)ベージュのスーツを5着揃えて平日を毎日それで過ごすことなのです。

「あら、あの人毎日同じ服よ。着た切り雀で、一体どこまでお金がないのかしら。」

と嗤う声(´∀`*)を聞きながらボーナスを握りしめてこっそり似たような6着目を買いに行く、ということをやってみたいのですね。

 

まあこれはその果てしなく長い道程の1着目ということで。あと4着?全く大変だ…

夏服Ⅰ

 

ひねりも何もないタイトルでげんなりですが、更新をさぼっていた間に買った服を紹介。と言ってもスーツとか靴とか、大物は単体で記事にするつもりなので…まあ、三本の矢的、纏めたら記事になるでしょ、ということで。あと、8点全部古着故、景気のいい話ではないですよ。

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まずはネクタイ。左から500,500,800,800勿論のこと単位は円ですね。

 右端のBeams fは変わり種で、カシミア100%のイタリア製です。とにかく分厚く、微妙な色味なので使いにくいこと甚だしい。青っぽいツイードのジャケットがあるので合わせるとすればそれくらいしか思いつきません。

 

 何とも言えず鮮やかな水色とオレンジのタイはボレッリ。

確かに配色は新鮮で、織もよく見ると立体的なのですがシャリッとした絹地にわかりやすい高級感はありません。どんな服に合わせましょう…初夏、ライトグレーのベスト、かな。

 

 残り二つは臙脂がポールスミス、焦げ茶がカルバンクラインポールスミスはデザイン重視かと思いきや結構真面目な作りです。織で入った小紋は繊細で、裏地も表と共なので凝ってはいます。

日本の企業がライセンス生産しているはずですが、一応イタリアで作っている模様。実物は写真よりもう少しだけオレンジがかっています。使いにくそうでいて、案外なんにでも合わせやすそうな色。

 

 Ckが、実はこの中でもお気に入りなのです。黒と茶色の糸で織られた地にベージュの水玉。ドットは好みじゃないのですが、これは遊び心があって良い。ぺらりと薄くて、光沢控えめなので、カジュアルに使えそう。ベージュのジャケットなんかの時に結びたいです。

 

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ズボン2着。ズボンってどう撮ればいいのか全くわからなくって見苦しいとは思いますが。

 

左のベージュはタグ付きの新品。アダムエロペというブランドについてはよく知りませんが、18000円とあるところを3000円で買いました。

ベージュにしては珍しくウール素材。5%入ったポリウレタンが憎らしい…裾幅22㎝もあるスラックスにストレッチ性を付与する必要はないと思うのですが。最近理解に苦しむポリウレタン混紡が多いです。

 

まあそんなことよりこのズボンの味噌はここ。

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ベルトレスなのです。

 

 G-starのジーンズは2着目。前回は中国製で、今回のはイタリア製ですが、別にどちらが良くできているとかはないですね。強いて言うなら中国製のほうが美しく見えます。 

 個人的にはジーンズは色が落ちていない時こそ格好良い(というか使いやすい)と思っていて、これも割と真新しかったので買ってみたものです。

 

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 薄ピンクはInternational Gallery Beamsのオリジナル。何だかんだ言って、私の持っているワイシャツで一番多いのがこの色です。

白以外で、というと淡いブルーが定番と思いますが、こういう極めて薄いピンクもお勧めしたい。春、桜のようなイメージでこの色を着るのは私にとって最高の自己満足なのです。

 

 下はSHIPS。写真があれで分かりにくいですが、藤色のクレリックシャツです。

 クレリックシャツは、好きですが難しいですね。着ると間違いなくおしゃれに気を使っている感じになるものの、それが厄介。上手に着れば洒落者ですが、無造作に着ると中途半端に頑張った感じになってしまい…いかにさりげなく、装いに溶け込ませるかが腕の見せ所?

 

以上が今夏、古着で買ったものについては全てです。靴とかその他は、追而ご紹介出来たらなあと思います。