白豕と淡雪

革靴、装い、たまに二次元。暇に飽かせて筆の赴くまま……

たかが、されど、スマホケースも革装で。

 流行嫌いの病膏肓に入り、これまでスマートフォンを使ったことがありませんでしたし、絶対持たないと公言して憚らなかった私ですが、ひょんなことからSIMカードの抜けたお古、いわばスマホの抜け殻を譲り受けました。

 

 丁度CDレシーバーを新調して、それがスマートフォンの中身を無線で飛ばせるとか何とかいう触れ込みだったのでこれは好機、と乗っかる安直さ。ま、電話はできませんからフォーンではないし、問題ないでしょう。武士に二言は無いものです。

 

 で、スマホ〔便宜上の呼び名〕があればケースも要る。

一番安手の奴でいいや、と400円のプラスチック製を注文しかけたのですがamazonが妙なものをちらつかせたのでクリック。

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イタリアン…レザー?私の心に一番刺さるものが周到に用意されているじゃないですか。

 

しかし名ばかりイタリアンが横行しているのがネット世界だから、とよくよく読んでいくとConceria800の革を使っているということ。

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そう、このマウリッツィに使われている革と同じタンナーなのです!

ちなみにConceria800はバケッタ製法が売りのようで、これは経年変化を楽しむ革小物にもうってつけ。

不思議な縁を感じた私が、プラスチックケースをカートから削除し、この革ケースを代わりに放り込んだのは言うまでもないでしょう。

 

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届いたらすぐに撮ればよかったのですが、もうプレメンテも済ませて数日使ってしまいました。

革の部位はショルダーということで良く動かす場所ですから、左側にトラ(皺っぽい縦筋)が見えますね。自然な革ということで、好感が持てます。

 

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若干困ったのが、傷のつき易さ。左写真の打突痕、右写真の擦り傷。

しっかりクリームを入れてから使い始めたのですが、鳥渡爪がかすったな、というくらいでもがっつりです。

この辺りを「味」と割り切る心の余裕が必要ですかね。

あとは3500円なので、革質に異様な高望みは禁物かも、です。

 

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開いて内側。左側のスリットはカード・ポケットにもなりそうな。

貰った機種はArrows M03とかいうのですが、サイズはぴったりでした。

 

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JAPAN MADEだそうです。

個人的に余り日本製へのこだわりはないですが…

 

amazonのレビューを見ていて、製品はコバ処理がされていないので自分でするとよい、と書かれている方がいらしたのでその方の方法を真似してみました。

上がBeforeで下がAfter。

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水を付けて、硬い物でこするのだそうです。

若干見栄えがするようになったかな?レビュアーさんに感謝です。

 

ということで、以上、革製スマホケースの感想でした。

スマホ…便利は便利ですが、インターネットをするには小さいし、カメラはピントが合わないし(これはM03の所為?)、音楽は結局DAPを使っちゃうし…慣れたら違うのでしょうか。

今は殆どスマホ=フェアドルのお家。

 


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まあそれだけで十分なのですけど!

お金は無いので無課金で。着せ替えもセンスですから現実の装いにも役立つ…ことはないかな。楽しいので良いです。

 

或る英国靴の衝撃~ホーキンス礼賛~

 「Hawkins、結構いいよネ!」こんな台詞吐かれた暁にはまともな(と自分では思っている)靴好きは苦笑するでしょう。

そして、幾らかスマートであればこう答えるに違いないのです。「ああ、水にも強いし滑りにくいし、最高のスニ…革靴だよ!」

 

私はまあ、靴好きの中でも可也浮ついた方ですからホーキンスは嫌いではありませんし、正直いつも気になっています。

もしどなたかが2万円くらいで良い革靴買いたいと言ってきたとして、おそらくプロパーならホーキンスを勧めるでしょう。

だって2万のリーガルはガラスでゴム底、セミマッケイなのに同じ価格帯のホーキンスは有名タンナーのカーフ、レザーソールでグッドイヤーウェルトなのですから。

 

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ですが今回ご紹介するのは今よりもずっと昔、ホーキンスがロイヤルワラントまで授かる厳然たるイギリスブランドだった時代のホーキンス。

 

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このロゴ、誇らしげなノーザンプトンの文字。とはいえこのロゴが付いていてもアジア生産の場合はありますが。

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内張り、ソール、すべて革で、イギリス製ですね。

その昔はエドワード・グリーン製のホーキンスもあったなんて言う話です。もしかしたらこの靴も…なんて愉快な想像をしてみたり。

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 大変な釘の数は古めかしくすら感じるディテールですね。

リフト交換の際もこのオリジナル通りにお願いしたいところ。

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爪先は可也削れていて、殆どウェルトに達しています。もとはヒドゥンチャネルだったみたいですね。

ぎりぎりウェルト交換まではいかないと思いますが、あとほんの1ミリでも削れていたら買いませんでした。

 

何せこの靴、お値段1000円ですからね!オールソール+リウェルトなんて気の遠くなるような額の修理は困ります。

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爪先の傷に注目。人によっては買うのを躊躇うレベルでしょうか?

個人的には長く履いていたら絶対付くし、ワックスかけたら問題ないだろう、くらいで気にしないようにしています。

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 履き皺のあたりに色抜けがありますね。補色すれば済むことですが、あえてそのままもいいかな。

前の持ち主の方がシューツリーを使っていたおかげで古着屋の棚でも小汚いながらピシッとした姿をしていて、ついつい手に取ってしまいました。

 

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正直、傷や擦れ、汚れも多いです。でも別に高級だったり光やすいクリームを使っているわけでもないのにこの艶ですよ。

昔の靴はクオリティが高かった、革が良かったなんてのはよく聞く話ですが、これを見るにそれもうなずけます。

 

 この美しさのためなら、1000円など…

初のイギリス製にして初のグッドイヤーウェルト。何となくいつも以上に大事に履かねばならないような、そんな厳かな気持ちです。

 

満を持して、マドラス

 

 リーガル-アメリカ、スコッチグレイン-イギリスと来てマドラス-イタリア。

これが国産紳士靴のパブリックイメージかつ御三家であるというのは恐らく賛成して頂けるのでは。

そしてこれについては異論があるかもしれませんが、3社の中で一番弱いというか、キワモノ的扱いなのがマドラスでしょう。

まあメインの製法がマッケイだし、同価格帯では一段落ちると言われても仕方ないのかな。でも本当はボロネーゼやブラックラピド、そしてグッドイヤーウェルトまで駆使する面白いメーカーなのです。

 

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というように、興味だけは持っていたものの買うまでは至っていなかったマドラス

公式通販で3割引きまでしか下げないがためにお得感が無かったのが原因ですが、このたび楽天の、フューチャーロードという靴屋さんで半額になっていたので購入してみました。

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やはりイタ靴好きが祟って、国内メーカーでもイタリア製を選んでしまう私です。

Francesco cimminoというロゴのものが混在しているという話ですが、これが実際製造しているファクトリー名なのでしょうか。ちなみに型番はM9070。

 

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 可也エッジの効いたデザイン。チゼルトゥです。

 

革はOSBA社の、多分キップ。NOVA OSBAはイタリアのタンナーで、Harrisなんかが使っていたはず。

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製法はマッケイで、ヒドゥンチャネル。

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細かく見れば粗もありますが、どうせ履き下ろしたら気にならなくなる部分ですから目をつむりましょう。

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出来ればもう少し釘が多いと見栄えがいいかもしれません。

それとゴムの部分が広すぎる…?

 

デザインは今時流行らないロングノーズですが、私は極端に細身のズボンは履かないので、これくらいでも違和感はない(筈)。

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 1枚目の写真は随分青みがかって見えますが、実際はこれよりもまだ黒っぽいくらいなのです。カジュアル使いしたいのでもっと青っぽくても良かったですね。

 マドラスのサイトでは随分とアンティーク仕上げが強調されて見えましたが、全体として色味が暗いのであまり目立ちません。

 

ということで、初挑戦のマドラスを紹介しました。日本メーカー定番どころの中では遊び心は随一でしょう。

 

 ただこのモデルだけもしれませんが、かなりタイト。これまで40の靴は随分履いてきましたがここまできつい40はありません。一瞬返品も頭をよぎったくらい。

 内羽根であまり融通も効きませんし、なかなか快適に履ける日は遠そう。とはいえこれまであまり攻めたフィッティングをせず、きついという感覚を味わったことが無いので、たまにはこういうのも良いかも、と自分を慰めているところです。

 

最初で最後の… ビーバレルBB0046

 

 前回ご紹介したBB0048がいかにも紳士然としたクラシックで小ぶりなものでしたから、今日ご紹介する代物は何とも俗っぽく見えるかもしれません。

 

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比べれば一目瞭然、もはや時代遅れの感すらある所謂デカ厚時計。なんと47㎜+大きな竜頭ガードです。

 

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堅牢な外観を裏切らない10気圧防水で、ラフに使えそう。

だからこそ、ガラスにもこだわってほしかったところではありますね。ミネラルガラスなので実際にはあまり適当に扱うと傷ついてしまうかもしれません。

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黒のメッキがされていないモデルもあって迷いましたが、このガンメタっぽい感じ、好みです。同じく竜頭ガードにも心鷲掴みにされて…こういう余計なディテールを付けちゃうのが嬉しいのです。

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隠された竜頭。手巻きオンリーですが、鳥渡巻きにくいです。

あと巻き止めの有無が不明なので怖い。

 

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 NATOベルトは安っぽくて嫌だな、革ベルトに変えるかなと思ったものの、

色で遊ぶのも楽しそうだし、と思案中。ベージュのNATOなんて似合いそうではありませんか?

 このベルトはきちんと美錠が黒メッキされていて、これでこそ純正、と気に入っています。

 

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まあ、防水性を高めるのがコンセプトだったのでしょうし、わからなくはないのです。

でもこの時計は是非とも裏スケで、ムーヴメントが見たかった。

別の時計ですが、これと同じものが載っています。

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チラねじ、ロング緩急針、青焼きねじと三拍子。

TY3600系改、ユニタスの中国製コピーである通称マネタスを調整したものだそうです。

 

 と、こんなところでしょうか。

私の細腕で正直これは似合わないのですが、好きなものは好きだからしょうがない、というやつですよ。ちょうど布のベルトだから洗えますし、夏場とかに着けたい時計です。

最初で最後の… ビーバレルBB0048

 今更これを物す意味。しかしまあ、売っている店はまだあるわけですから!

というわけで珍しく腕時計の話です。扱うは先日公式にブランド停止を明言し、それに伴い潔くメーカー在庫を叩き売った漢の中の漢、中華時計の勇ビーバレル。

 

今回はBB0048についてです。

 

 まずはビーバレルというブランドそのものについて説明が要るでしょう。

ざっくり言うと「これまで舶来高級時計の専売特許だったマニアックなディテールやメカニズムを、中国生産にすることでなるべく安く時計オタクにお届け!」がコンセプト。

 

中国製でも企画・検品・アフターサービスは日本企業(ディンクス。フランク三浦が今の看板)が行うことで比較的安心というのも一つの売りだったでしょうか。

 その理念通りにトゥールビヨン、チラねじ、ピラーホイール式クロノ、スワンネック、青焼きといった刺さる人には刺さるディテールを盛り込んだ時計を良心価格で販売していたのですが、やはりブランドとしては厳しかったらしくこのたび「一旦リセット」となりました。

 

そして最後に定価2,3万円で販売していた在庫を5千円で放出したわけです。

これを祭と言ってしまうのは忍びないのですが、まあ私もそれに乗じて2本買いました。

 

1本目がこちら。

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さて、時間読めますでしょうか?

レギュレーターという機構で、時・分・秒針がばらばらに配されています。

このモデルですと長針は分で、12時位置のダイアルが時針で、6時位置が秒針ですね。

 

読みにくいことこの上なく、そのうえ本来は不要のⅠ~Ⅻがまるでダミーのように鎮座しているのも誤解を誘います。文字盤ミスはこの時計を語る際の鉄板ネタなのです。

 

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クラシックなことこの上ない38㎜ケース。

エナメル文字盤も古典的で、しかもその美しさは単なる白でありながらも時計を味気なく感じさせません。

厳密にいうとこのコールドエナメルは樹脂で、ホットエナメルとは違うのですが、コールドの方とて数十万の時計にも採用されるディテールです。

ガラスも安心のサファイアガラス。尤もサファイアでなければ時計にあらずといったサファイアガラス原理主義はいかがなものかとも思いますが…

 

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中華ムーヴの定番メーカー、シーガルの自動巻き。

ビーバレル自体にはもっと凝ったムーヴメントが多いので物足りなくも感じますが、小ぶりなのも相俟ってアクセサリーのように華奢で綺麗です。

 

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アマゾンのレビューでは大不評の革ベルト。

まあ実際それほど良くはないのですが、この深い型押し、絶妙な赤茶はなかなか無い。

屈曲部が早くも割れそうなので耐久性は低そうですが、貶すには惜しいオーラです。

 

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もう売り切れで買えませんでしたが、銀ケースは針が青焼き仕様。これは羨ましい…

適当に画像検索でもしていただけるといいのですが、青焼きって本当に綺麗です。

金色好きの私ですが、在庫があればこちらにしたかも。

 

ということで、遅ればせながらビーバレルの紹介でした。

次もう1本出て来ます。そちらは手巻きですよ!