白豕と淡雪

革靴、装い、たまに二次元。暇に飽かせて筆の赴くまま……

YOOXで買うフランチェスコベニーニョその2

 「その2」…おかわりとかハロー!!とか現代人の英知が数多の表現を編み出してきたというのに?

嘆かわしいくらいの凡庸さで以てこの文章が以前の記事の続編に近いものであることを表すついでに、も一つ告白をしてしまいましょう。

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左側のブーツ、まだ履き下ろせていません。秋も、冬も、ただただオブジェでした。

 

liaodongspig.hatenablog.com

  さて熱心な読者様(もしおられたら感謝感激)なら覚えておられるかもしれません。上の記事において、結局買ったブーツの他に対抗馬があったと書いていたことを。

 

それの色違いがこの茶色いダブルモンクブーツ。YOOXへ奇跡的にマイサイズだけが再入荷、もしくは返品で戻ってきたところをすかさず捉えました。

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 いや、文句から始めるのは不本意極まりないのですが、それもこれもこの種の靴の宿命でしょう(寒い!)

 

 私にとってはこれが初モンクなのですが、モンクって履きにくい…

毎度毎度ストラップを外しては通ししていたらすぐ痛みそうですし、かといって短靴ならともかくブーツタイプではストラップを付けたまま足は入らないし。

 

何よりこの靴、甲高の私だとストラップが閉まらないのですよ。

サイズ自体はぴったりなので、どこか店に持っていって穴を足してもらうつもりです。

 

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キャップの切り替え部分がこの靴の魅力。

縫い目の見えないような作り、レベルソ仕立てなんて言います。

レベルソって何だ?と思いましたが、別名の返し縫や、腕時計の「レベルソ」から考えても英語のリバースなんでしょうね。

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サイドも同じく。

私だけかもしれませんが、アッパーに縫い糸が露出していると、ブラシを思い切りかけたりするときに鳥渡だけ不安です。なのでこの仕様は大歓迎。

 

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おお、初ダイナイトと思ったのも束の間。ダイナイトもどきです。

若干柔らかいこの感触はビブラムのダイナイト風(#2055)にも似ていますが、ロゴが無いので違うかな?

まあ歩きやすそうなので良しとしましょう。

 

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YOOX曰くリアルファー。それを確かめる術はないのですが、念ずれば花…は違うか、知らぬが仏ですよ。

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商品説明ではこういう風に毛皮を見せていたので、こちらが真の姿なのでしょうか。

まあ装いに合わせて変えるのも楽しそうです。

 

 最後にお値段ですが、YOOXでの最初の値段65000円から下がりに下がって1万数千円

。加えて全品30%offの日に購入したので結局は1万円程で購入しました。

これを味わってしまうともう5万円では…

 

 ということで2足目のベニーニョ紹介でした。ダブルモンクブーツは何とも言えず見ていて幸せです。どう履くのか、何に合わせるのか、そんなことが些事に思えるような洒落た靴。履きたいときに、履きたいように、気負わず履けるようにしたいですね。

合皮の靴にはクレポリメイト…?

 

 クレポリメイト。

amazonの商品ページから抜萃すると「ビニール、ラバー、プラスチック、グラスファイバー、合成皮革などの表面保護とツヤ出し。」に使う代物だそうです。

 

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私自身の購入目的は別の所にあるのですが(どんな所か?写真でいうと後ろの方です。)、今回は当商品の本義に従って合皮に使ってみたいと思います。

 

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気に入りの

アドミラルのスニーカー。合皮とツイードコンビのチャッカブーツ風。

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以前の記事でお話しした踵・爪先補強も万全。特にこの靴はすり減りやすいので

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このストラップ部だけは本革。淡い色味にブローギング、アクセントとしていいな、と思っています。

 

 

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まずは、これがクレポリメイト塗布前の状態。

既に光沢は結構あるのですが、これは私が常々靴クリームで艶を出していたからなのです…

合皮の靴の手入れは雑巾で水拭きすればOKという方もいらっしゃるのですが、個人的には歯痒いところ。そうだけど、そうだけどさ…鳥渡冷たくない?と思っていて。

確かに栄養だのは要りませんが、安手のクリームでも塗っておくと見栄えも愛着も違いますよ。

 

 閑話休題、クレポリメイトに戻りましょう。

塗り方、というのもないですが、面倒なので軽く液を出したら指で塗り広げて、布で拭き取り。

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変わったような、変わらないような。

でも紫外線をカットしてくれるそうなので、劣化が抑えられるのを期待です。

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一応白い部分(サイドテープ?)にも塗ってはおきました。尤も、まずは汚れ落としが先決だったかもしれません。

 

クレポリメイトの効果の程は不明ですが、合皮の艶出しの為だけならクリームで十分ですね。あとは長持ちしてくれればよいものの、それは比較できませんからね…まあ鰯の頭も信心から。定期的に塗り直していこうかと思います。

 

たかが、されど、スマホケースも革装で。

 2018.7.14追記・改稿

 流行嫌いの病膏肓に入り、これまでスマートフォンを使ったことがありませんでしたし、絶対持たないと公言して憚らなかった私ですが、ひょんなことからSIMカードの抜けたお古、いわばスマホの抜け殻を譲り受けました。

 

 丁度CDレシーバーを新調して、それがスマートフォンの中身を無線で飛ばせるとか何とかいう触れ込みだったのでこれは好機、と乗っかる安直さ。ま、電話はできませんからフォーンではないし、問題ないでしょう。武士に二言は無いものです。

 

 で、スマホ〔便宜上の呼び名〕があればケースも要る。

一番安手の奴でいいや、と400円のプラスチック製を注文しかけたのですがamazonが妙なものをちらつかせたのでクリック。

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イタリアン…レザー?私の心に一番刺さるものが周到に用意されているじゃないですか。

  「モバイルプラス」なる会社の製品。

しかし名ばかりイタリアンが横行しているのがネット世界だから、とよくよく読んでいくとConceria800の革を使っているということ。

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そう、このマウリッツィに使われている革と同じタンナーなのです!

ちなみにConceria800はバケッタ製法が売りのようで、これは経年変化を楽しむ革小物にもうってつけ。

不思議な縁を感じた私が、プラスチックケースをカートから削除し、この革ケースを代わりに放り込んだのは言うまでもないでしょう。

 

 色はもう一段濃い色味のオレンジと迷ったものの、母の意見を聞いてキャメルに。 

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届いたらすぐに撮ればよかったのですが、もうプレメンテも済ませて数日使ってしまいました。

 

 商品説明によるとヌメ革オイルレザー。

革の部位はショルダーということで良く動かす場所ですから、左側にトラ(皺っぽい縦筋)が見えますね。自然な革ということで、好感が持てます。

 

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若干困ったのが、傷のつき易さ。左写真の打突痕、右写真の擦り傷。

しっかりクリームを入れてから使い始めたのですが、鳥渡爪がかすったな、というくらいでもがっつりです。

この辺りを「味」と割り切る心の余裕が必要ですかね。

あとは3500円なので、革質に異様な高望みは禁物かも、です。

 

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開いて内側。左側のスリットはカード・ポケットにもなりそうな。

貰った機種はArrows M03とかいうのですが、サイズはぴったりでした。

 

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JAPAN MADEだそうです。

個人的に余り日本製へのこだわりはないですが…

 

amazonのレビューを見ていて、製品はコバ処理がされていないので自分でするとよい、と書かれている方がいらしたのでその方の方法を真似してみました。

上がBeforeで下がAfter。

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水を付けて、硬い物でこするのだそうです。

若干見栄えがするようになったかな?レビュアーさんに感謝です。

 

ということで、以上、革製スマホケースの感想でした。

スマホ…便利は便利ですが、インターネットをするには小さいし、カメラはピントが合わないし(これはM03の所為?)、音楽は結局DAPを使っちゃうし…慣れたら違うのでしょうか。

今は殆どスマホ=フェアドルのお家。

 


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まあそれだけで十分なのですけど!

お金は無いので無課金で。着せ替えもセンスですから現実の装いにも役立つ…ことはないかな。楽しいので良いです。

 

或る英国靴の衝撃~ホーキンス礼賛~

 「Hawkins、結構いいよネ!」こんな台詞吐かれた暁にはまともな(と自分では思っている)靴好きは苦笑するでしょう。

そして、幾らかスマートであればこう答えるに違いないのです。「ああ、水にも強いし滑りにくいし、最高のスニ…革靴だよ!」

 

私はまあ、靴好きの中でも可也浮ついた方ですからホーキンスは嫌いではありませんし、正直いつも気になっています。

もしどなたかが2万円くらいで良い革靴買いたいと言ってきたとして、おそらくプロパーならホーキンスを勧めるでしょう。

だって2万のリーガルはガラスでゴム底、セミマッケイなのに同じ価格帯のホーキンスは有名タンナーのカーフ、レザーソールでグッドイヤーウェルトなのですから。

 

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ですが今回ご紹介するのは今よりもずっと昔、ホーキンスがロイヤルワラントまで授かる厳然たるイギリスブランドだった時代のホーキンス。

 

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このロゴ、誇らしげなノーザンプトンの文字。とはいえこのロゴが付いていてもアジア生産の場合はありますが。

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内張り、ソール、すべて革で、イギリス製ですね。

その昔はエドワード・グリーン製のホーキンスもあったなんて言う話です。もしかしたらこの靴も…なんて愉快な想像をしてみたり。

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 大変な釘の数は古めかしくすら感じるディテールですね。

リフト交換の際もこのオリジナル通りにお願いしたいところ。

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爪先は可也削れていて、殆どウェルトに達しています。もとはヒドゥンチャネルだったみたいですね。

ぎりぎりウェルト交換まではいかないと思いますが、あとほんの1ミリでも削れていたら買いませんでした。

 

何せこの靴、お値段1000円ですからね!オールソール+リウェルトなんて気の遠くなるような額の修理は困ります。

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爪先の傷に注目。人によっては買うのを躊躇うレベルでしょうか?

個人的には長く履いていたら絶対付くし、ワックスかけたら問題ないだろう、くらいで気にしないようにしています。

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 履き皺のあたりに色抜けがありますね。補色すれば済むことですが、あえてそのままもいいかな。

前の持ち主の方がシューツリーを使っていたおかげで古着屋の棚でも小汚いながらピシッとした姿をしていて、ついつい手に取ってしまいました。

 

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正直、傷や擦れ、汚れも多いです。でも別に高級だったり光やすいクリームを使っているわけでもないのにこの艶ですよ。

昔の靴はクオリティが高かった、革が良かったなんてのはよく聞く話ですが、これを見るにそれもうなずけます。

 

 この美しさのためなら、1000円など…

初のイギリス製にして初のグッドイヤーウェルト。何となくいつも以上に大事に履かねばならないような、そんな厳かな気持ちです。

 

マドラス~和製伊太利靴ノ矜持~

 2018.8.8 表題変更&改稿

 

 リーガル-アメリカ、スコッチグレイン-イギリスと来てマドラス-イタリア。

これが国産紳士靴のパブリックイメージかつ御三家であるというのは恐らく賛成して頂けるのでは。

そしてこれについては異論があるかもしれませんが、3社の中で一番弱いというか、キワモノ的扱いなのがマドラスでしょう。事実、ネットを使ったって、あまり良質な記事がヒットしないのです。

 

まあメインの製法がマッケイだし、同価格帯では一段落ちると言われても仕方ないのかな。でも本当はボロネーゼやブラックラピド、そしてグッドイヤーウェルトまで駆使する面白いメーカーです。

 

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というように、興味だけは持っていたものの買うまでは至っていなかったマドラス

公式通販で3割引きまでしか下げないがためにお得感が無かったのが原因ですが、このたび楽天の、フューチャーロードという靴屋さんで半額になっていたので購入してみました。

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やはりイタ靴好きが祟って、国内メーカーでもイタリア製を選んでしまう私です。

Francesco cimminoというロゴのものが混在しているという話ですが、これが実際製造しているファクトリー名なのでしょうか。ちなみに型番はM9070。

 

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 可也エッジの効いたデザイン。チゼルトゥです。

 

革はOSBA社の、多分キップ。控えめに、良識的なムラ感がありますね。

NOVA OSBAはイタリアのタンナーで、Harrisなんかが使っていたはず。

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製法はマッケイで、ヒドゥンチャネル。

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細かく見れば粗もありますが、どうせ履き下ろしたら気にならなくなる部分ですから目をつむりましょう。

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出来ればもう少し釘が多いと見栄えがいいかもしれません。

それとゴムの部分が広すぎる…?

 

デザインは今時流行らないロングノーズですが、私は極端に細身のズボンは履かないので、これくらいでも違和感はない(筈)。

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 1枚目の写真は随分青みがかって見えますが、実際はこれよりもまだ黒っぽいくらいなのです。カジュアル使いしたいのでもっと青っぽくても良かったですね。

 マドラスのサイトでは随分とアンティーク仕上げが強調されて見えましたが、全体として色味が暗いのであまり目立ちません。

 

ということで、初挑戦のマドラスを紹介しました。日本メーカー定番どころの中では遊び心は随一でしょう。

 

 ただこのモデルだけもしれませんが、かなりタイト。これまで40の靴は随分履いてきましたがここまできつい40はありません。一瞬返品も頭をよぎったくらい。

 内羽根であまり融通も効きませんし、なかなか快適に履ける日は遠そう。とはいえこれまであまり攻めたフィッティングをせず、きついという感覚を味わったことが無いので、たまにはこういうのも良いかも、と自分を慰めているところです。