白豕と淡雪

革靴、装い、たまに二次元。暇に飽かせて筆の赴くまま……

或るイタリア男に就いての一考察Vol.6

  白状します、私はジャケットにTシャツを合わせる着こなしが嫌いでした。今も好きにはなれない。わざわざジャケットに首の皮脂を擦り付ける意味が分からない。

服を愛していないことを喧伝して歩くようなもの…まさしく私にとっては奇行子の着こなしでした。

f:id:awayuki34:20170607212640j:plain

 ですから、このスナップを紹介するかどうかとっても迷いました。むしろこの画像を保存するかどうか迷った。何か自分が変節するような気持ちの悪さ…でも、カッコいいと思っちゃったんですよ!

 

 カットソーとジャケットを合わせているの数多の小僧と、この写真の男性の違いは何か、考えていきましょう。

 

 といっても単純なことです。それは、良い意味での古さ。そして一つだけぶち込まれた場違いな新しさ。

 彼の着こなしを見て、最初はカットソーだと気が付きませんでした。それくらいクラシックな着こなし。流行り物が好きな人にとってはズボンは太いし長いし、上着も緩い!と叫びたくなるんじゃないですか?だがそれでいい。本当に美しいスーツスタイルだと思います。

 

 他のアイテム、パナマハットやスペクテイターシューズ(コンビシューズ)も全く以てレトロ。どうせなら白のドレスシャツに派手なペーズリーのタイでも、と私みたいな普通の者は思うところです。

 それを嘲笑うかのようなカットソー、バンダナを加えているのが小憎らしいですね。以前バンダナが流行った時の写真でしょうか…何だか見たとき脱力しちゃって、こうも予想の斜め上を行く着こなしがあるんだ、とがっくりしました。

 

 奇抜なのは慣れています。色や柄で人目を引くだけの、祝祭的なファッションです。そう、ファッションでしかない。

 

 これまでも似たようなコンセプトはたくさんありましたよね。スーツにカットソー、スーツにスニーカー。どれを見てもこれほど印象深いものではありませんでした。

 何でかなあ、と考えてみると、多分それは彼らが流行の申し子でしかないからです。全身から今の香りがプンプンする。

だからどんな着こなしでも、こういうものかと受け入れられたわけです。へえ、今こういうムーブメントが作り出されてるんだ、という極めてあっさりと、冷めた目で見ることが許されたのです。

 

 このスナップの男性、好きか嫌いかはさておき凄まじい装いです。これを目指すのは難しいでしょうな…

クラシックとモードの融合は数多の猛者が試みていますが、大抵失敗していますからね。こればっかりは目の保養にしておくにとどめたい、そんな着こなしでした。