白豕と淡雪

革靴、装い、たまに二次元。暇に飽かせて筆の赴くまま……

井蛙はオバマの夢を見る~カナーリのコットンスーツ~

 これだけイタリアのファッションについて虚実入り混じる訓話を垂れていた私としたことが…迂闊でした。

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例のYOOXを覗いていて、私のハートを射止めたこのスーツ。このブログでは秘めていたのですが、私はベージュのスーツに大いなる憧れを抱いていたものですから、この夢で見たような理想のスーツをみすみす逃すことは出来かねました。

 

 流行にとらわれないシルエット、美しい生地と理想に寸分違わぬ色合い、そして懐事情に見合ったお値段。そうとなればブランド名なんてのは鳥渡気の利いたおまけに過ぎないのですから、このCanaliという知らないメーカーについては全く調べもせずの決断でした。

 

まさかオバマ愛用のブランドだったとは…ビル・クリントンやらトム・クルーズやらの名前も出てきますし、何より日本にも店を出しているそうじゃないですか!なぜ今まで知らなかったのでしょう。

日本では20万円くらいと言われていますが、やはりイタリアの服なのでYOOXだと定価でもそれより可也控えめなお値段。そして私はほとんど8割引きで買えたので、2万円程です。

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袖は開き見せ。最近は本切羽の既製品がやたら目につきますし、実際身に合う方にとっては嬉しいディテールでしょうが個人的には勘弁して頂きたい。私は背が低いのに、痩せてはいないという面倒な事極まりない体格なので袖は結構詰めるのです。このジャケットだったら4,5センチでしょうね…

 

それと今回は着丈も詰めてみようと思っています。サイズ50を選んで、ズボンはぴったりなのですが、上着は結構緩い&長い。理想は下50の上48ですが、これがスーツの難しさ。

日本のLサイズに輪をかけて長いので、流石にこの着丈ではお下がりのようなのです。残念ながらこのブランドのスーツは合わない体なのですね…

 

 しかし身に合う方にとっては、そしてトレンドから離れて良いものを長く着たい、という方にとってこのスーツはおすすめです。

 

 肩パッドは一見して感じるよりも可也厚めに入っていますし、スラックスの裾幅はお直し前で20センチを優に超えていますから、裾上げしたらもっとでしょう。しかもゴージは低めで、今時流行らない3つボタン。

文字にすれば一笑に付したくなるような時代遅れのスーツですが、最初に載せたモデルさんの写真でそこまで古めかしく感じるでしょうか。

 

ディテールだけではわからない、なんとも超然としたスーツです。勿論それに一役買っているのが生地ですね。写真では伝わらなくって申し訳ないですが、実際見て、手にすると今まで身に纏っていたベージュのコットン達が急に情けなく思えるほど。

光沢は控えめながらも豊かで、袖を通すときはまるでネクタイ、それも飛び切り繊細なシルクのそれを触るときと同じように緊張します。

 

綿だからしっかり着込むぞ、という思いは早々に断念。加えて、上着単体でもカジュアルに使えそうだ、と思って買ったのですが全くトラディショナルなダークスーツを生地だけベージュのコットンにしたようなスーツですので、それもなかなか難しそうです。

 

 私には夢がある、とこれはオバマではなくてキング牧師ですがまあいいでしょう。

それは、社会人になったら、こういう鮮やかな(昨今店でよく見るくすんだのではなくて)ベージュのスーツを5着揃えて平日を毎日それで過ごすことなのです。

「あら、あの人毎日同じ服よ。着た切り雀で、一体どこまでお金がないのかしら。」

と嗤う声(´∀`*)を聞きながらボーナスを握りしめてこっそり似たような6着目を買いに行く、ということをやってみたいのですね。

 

まあこれはその果てしなく長い道程の1着目ということで。あと4着?全く大変だ…